2018年4月10日火曜日

財務省理財局が森友学園側に口裏合わせを求めていた事を、太田充理財局長が認める!安倍首相の隠蔽工作関与、佐川氏の偽証がバレる?

森友への「口裏合わせ」「身を隠せ」指示判明で、佐川氏の“偽証”と安倍首相の“隠蔽工作関与”が決定的に

2018.04.09



先週、NHKがスクープした“財務省理財局が森友学園側に口裏合わせを求めていた”という問題を、本日、参院決算委員会で太田充理財局長が認めた。

この問題は、当時、安倍政権と財務省が国有地を約8億円値引きした根拠となったゴミの撤去について、「実際に撤去するとなるとダンプカー4000台分ぐらいになる。そんな動きが本当にあったのか」と追及を受けるなか、昨年2月20日、財務省理財局の職員が森友側に電話をし、「トラックを何千台も使ってゴミを撤去したと言ってほしい」と迫ったというもの。

財務省の太田理財局長はきょう、「理財局の職員が森友学園側の弁護士に電話して、地下埋設物の撤去に実際にかけた費用に関して『相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか』という話をした」と答弁。さらに、財務省理財局は近畿財務局にもこの嘘の口裏合わせを求めたが、これを近畿財務局は「事実に反する」と拒否。森友側の弁護士も同様に断ったという。

つまり、財務省理財局は8億円分のゴミなど地中にないことを知っており、そのためにこのような嘘を森友の弁護士に強要しようとした、ということだ。

しかも、ここにきて新たな事実がわかった。籠池泰典理事長は昨年2月に財務省理財局の嶋田賢和国有財産企画課課長補佐から森友の顧問弁護士だった酒井康生氏を通じて10日ほど隠れるようにと指示されたと証言していたが、籠池氏を隠すように指示していたのは、佐川宣寿・前理財局長だったというのだ。

日本テレビの報道によれば、大阪地検特捜部の聴取において、財務省の職員が、口裏合わせの発端は「佐川前理財局長の指示だ」と話しているといい、当時、佐川氏は「できれば籠池氏が表に出ないように仕向けてほしい」旨を部下に指示。理財局職員が森友側の弁護士に働きかけたのだという。

財務省が「森友への口裏合わせ」を認めた! 佐川氏が籠池氏に「身を隠せ」指示
佐川氏は、先日おこなわれた証人喚問において、希望の党・今井雅人議員に「(理財局の)S課長補佐(編集部註:嶋田課長補佐のこと)さんが籠池さんに『身を隠してください』と弁護士を通じて連絡をしたというふうに言っていますが、これは事実か」と問われた際、こう証言していた。

「弁護士の方がマスコミに紙を発表されて『私自身、佐川と面識もないし連絡も取ったこともないし、その他の財務省の職員にそういうことを言われたことはない』というふうな発表をしていたということでございますし、私自身、まったくそういうことをしておりません」
「(嶋田課長補佐も)そういうふうに言っております」

佐川氏が理財局職員に「表に出ないよう仕向けろ」と指示していたとすれば、これらの証言は全部嘘であり、佐川氏は証人喚問で偽証罪に当たる行為をはたらいていたことになる。証人喚問で「総理からも官邸からも指示はなかった」などと明言した佐川氏の証言についてはかねてより疑問視する声が続出していたが、その信用性はこれでさらに低くなったと言えるだろう。

しかも、財務省理財局が森友学園への口裏合わせと籠池理事長への“身を隠せ”指示をおこなっていたことがはっきりしたことで、安倍首相が森友文書改ざんを引き起こした可能性はますます高まった。

そもそも、政府や安倍応援団はこの間、佐川氏が昨年2月24日に言った「記録は廃棄され残っていない」「(交渉記録は)速やかに破棄した」という自身の答弁を正当化するために、文書改ざんを指示したというストーリーを口にし、「改ざんは佐川氏ひとりの責任」「安倍首相や官邸は関係ない」と主張してきた。

しかし、今回の工作で、佐川氏がすでに昨年2月20日の時点で、口裏合わせや“身を隠せ”の連絡など、隠蔽の工作を始めていたことが明らかになったのだ。19日以前に、佐川氏はこんなことが必要になるような決定的に不都合な答弁をおこなっている形跡はない。にもかかわらず、こんな隠蔽工作を始めたというのは、どう見ても、2月17日夕方の安倍首相の「総理も国会議員も辞める」発言を受けたとしか考えられない。

自民党の西田昌司議員が財務省・太田理財局長を「バカか!」と罵倒の茶番
ところが、財務省や自民党はこの期に及んでまだ、佐川氏ひとりの責任に押し付けるために、茶番を繰り返している。

太田理財局長はきょうの答弁で、この嘘の口裏合わせを求めた理由について、「(佐川氏が昨年2月20日に)さも適切にゴミを撤去したというような答弁をしてしまい、理財局の職員が整合性を取ろうとしてそういうことをしてしまった」などと答弁した。

しかも、このNHKの報道が事実かどうかを問いただしたのは、自民党の西田昌司参院議員だった。太田理財局長のこの答弁を受けて、西田議員は「都合の悪いことは覆い隠す隠蔽が起きている」「バカか、本当に!」と罵倒。ようするに、口裏合わせの事実を認めることで、“やはり佐川氏の答弁が改ざんのきっかけ”という印象付けをおこなったのだ。

たしかに、昨年2月20日の衆院予算委員会で、現・立憲民主党の逢坂誠二議員の「8億円分の作業、工事を実際におこなっているのか確認しているのか」という質問に対し、佐川氏は「相手方において適切に撤去したというふうに聞いている」「廃棄物の撤去については適切におこなったというのは近畿財務局で確認している」などと答弁している。

しかし、佐川氏は別に「トラックを何千台も使ってゴミを撤去した」と言ったわけでもなく、そこまで強引な隠蔽工作をやってまで整合性をとらなければならない答弁とは思えない。

しかも、この日、逢坂議員が質疑に立ったのはいちばん最後。終了したのは17時15分だ。誰が考えてもすぐばれるような嘘を、すりあわせもないまま当日中に、当事者に求めるなんてことができるとはとても思えない。

さらにこのとき、佐川氏は前述したように、理財局職員に「籠池氏を表に出すな」という指示までおこなっている。首相夫人が名誉校長を務め、安倍首相が教育を褒め称えた籠池理事長を“隔離”するようなことを、一介の理財局長である佐川氏の独断で決められるはずがない。

自民党・西田議員が安倍首相から受けていた「8億円値引きの説明」指示
おそらく、佐川氏が森友側に「トラックを何千台も使ったと言ってくれ」とでっちあげまで求めて、“8億円値引きの根拠がゴミ撤去費用”であることを主張したがったのは、自分の答弁を正当化するためではないだろう。じつは、その裏には、安倍首相自身の意向があった可能性が高い。

そのことを図らずも示唆してしまったのが、きょうの国会で「バカか!」と財務省を罵り、財務省への責任押し付けをはかった西田議員だ。西田議員は昨年4月18日付の朝日新聞の記事で、森友問題をめぐって、安倍首相から“8億円値引きの正当性”を説明できるような質問をするよう、指示を受けていたことを明かにしているのだ。

その記事によると、西田議員は昨年3月2日に安倍首相から電話がきて、「西田さんは大阪問題でやりたいだろうけど、それを頼んだのが安倍だと言われたら、なんにもならないからさ」と言われたと語っている。西田議員は、質問内容について安倍首相自ら注文を付けることは初めてだったといい、直接電話がかかってくること自体が「異常やねん」と述べている。

そして、このとき、安倍首相は西田議員に〈土地が約8億円値引きされたことの「正当性」を、質疑を通してうまく説明してほしい〉と指示したというのだ。

実際、この電話から4日後の3月6日におこなわれた参院予算委員会で、西田議員は8億円値引きが正当なものだと主張し、それを受けて安倍首相も「西田昌司委員のこれは答弁で明らかになっている」「いままでの政府の答弁ではすとんと落ちないことがあったのは事実だが、きょうのやり取りで(8億円の値引きの根拠が)先ほど証明された」などと強調。これに対して質問に立っていた蓮舫議員が「政府のなかでしっかりと行革大臣に指名をして調査チームをもって明らかにしていただきたい」と求めると、「蓮舫さん、午前中の西田さんとのやり取り聞いていなかったんですか?」とまたも西田質疑を根拠にし、「ディスカウントするのは言わば当然」とまで言い切ったのだ。

この安倍首相の強気な姿勢は、すでに決裁文書に書き記されていた昭恵夫人の名前をはじめ、「特例」「特殊」という取引の異常性を示す文言を消し去り、今後の主張の方向性が決まっていたからこそのものだろう。そして、地中に8億円のゴミがあるのかどうかを直接調べることもなく、弁が立つ西田議員に答弁内容を直接指示してまで土地取引を正当化させたのが安倍首相だったという事実は、すなわち安倍首相が佐川氏の口裏合わせや文書改ざんを把握し、その犯罪行為の中心にいたことの証明ではないのか。

実際、明日発売の「文藝春秋」には、森友国会のさなか、安倍首相が秘書官を通じて、佐川理財局長に「もっと強気で行け」というメモを渡していたという衝撃的なエピソードが掲載されているという。

安倍首相はきょうの答弁でも「私も妻も関わっていないが、そうだという証拠や証言はない」などと述べたが、昭恵夫人の名前は文書内にしっかり記され、昭恵夫人に言及したあとには必ず取引が前進するという、その存在の大きさが伺える内容になっていた。それを改ざんによって消してしまっていたという事実が露呈してもなお「証拠はない」と断言するとは、国民を愚弄するにも程がある。「バカか、本当に」と言うべき相手は、安倍首相だ。

(編集部)

参照元 : LITERA